2019年に公開された実写版のディズニー映画『アラジン』。
ジーニー役をウィル・スミスが演じたことでも有名ですね。
今回は、アニメ版(オリジナル版)との違いをまとめました。
また、理由についても考察します。
ネタバレも含みますので、楽しみを取っておきたい方は、映画鑑賞後にご覧いただくことをおすすめします!
実写版『アラジン』(2019年)について
原作は?
実写版『アラジン』(2019年)は、ディズニーのアニメ映画『アラジン』(1992年)の実写リメイク版です。
アニメ「アラジン」の原作は、「アラジンと魔法のランプ」です。
主な登場人物とキャストは?
アラジン
俳優:メナ・マスード(吹替:中村倫也)
アグラバーの市場で盗みを働きながら暮らす主人公。ジャスミンに出会って恋に落ちます。
ジャスミン
俳優:ナオミ・スコット(吹替:木下晴香)
強くて美しいアグラバーの王女で、結婚相手を王として迎えようとする父に反発します。
ジーニー
俳優:ウィル・スミス(吹替:山寺宏一)
ランプの魔人。
ジャファー
俳優:マーワン・ケンザリ(吹替:北村一輝)
アグラバーの国務大臣。邪悪でアグラバーや他国を支配しようと悪だくみするヴィランズ。
サルタン
俳優:ナヴィド・ネガーバン(吹替:菅生隆之)
アグラバーの国王でジャスミンの父。
ダリア
俳優:ナシム・ペドラド(吹替:沢城みゆき)
ジャスミンの侍女。アニメ版には登場しないオリジナルキャラ。
映画『アラジン』実写版とアニメ版の違いや理由は?
実写版とアニメ版では、違いがあります。
主な理由については、以下ではないかと考察します。
・時代背景(女性の社会進出)
・映画を楽しむ対象の変化
・オリジナリティ
ジャスミンを巡っては、女性の社会進出などの時代背景が大きいのではないかと思います。
また、それぞれの人物像の描かれ方は、アニメの対象が主に子供だったのに対して、実写版は大人がより楽しめるようになっていると思われます。
また、実写版が1つの作品としてオリジナリティを出すためでもあるかと思います。
それでは早速、違いとその考察をご紹介します。
違い① 商人ペドラーが、人間になったジーニーに変わっている
アニメ版の冒頭でナレーション的役割をしている商人ペドラー。
実写版では、人間になった(青くない)ジーニーに変わっています。
映画が始まってすぐは、ウィル・スミスが二役か?と思いましたが、のちに人間になったジーニーであることがわかります。
違い② アニメ版で老人だったジャファーが、実写版では若いイケメン悪役に
アニメ版では年老いた邪悪な悪役だったジャファー。
実写版では若い俳優を起用しており、しかもイケメンです。
ジャファーはジャスミンに結婚を迫るので、権力ある老人が若い女の子を手に入れようとする様が、現代ではよくない風潮であることからではないでしょうか。
違い③ アラジン、ジャスミン、ジャファーの過去が詳細に語られる
アニメ版では詳しく語られなかったアラジンの生い立ち、ジャスミンの母の死、ジャファーの経歴。
実写版では、アラジンは幼いころ両親を亡くしていること、ジャスミンの母は他国から嫁いできた妃で殺害されたこと、ジャファーの過去は貧しい身分だったことが描かれています。
実写版となり、より大人も楽しめるよう、ストーリーを深堀したのではないかと思います。
違い④ オリジナルキャラクター・ダリア
ジャスミンの侍女ダリアが、実写版にオリジナルキャラクターとして登場します。
ジャスミンとは女友達のように仲が良く、お互いの恋を応援しあっている姿が微笑ましいです。
身分違いでも仲良くする二人の姿は、平等が強調される現代にぴったりです。
違い⑤ アラジン初めて宮殿に入るタイミングが早い
アニメ版では、アラジンが宮殿に入ってジャスミンに会うのは、ジーニーの魔法でアリ王子になった後。
しかし実写版では、魔法のランプを手に入れる前に、市場でアブーが盗んだジャスミンのブレスレットを返しに宮殿に侵入します。
実写版ではこの帰りに、アラジンはジャファーに捕まってしまいます。
違い⑥ 魔法のランプを手に入れる過程が違う
実写版では、宮殿に侵入してジャスミンと次の約束をした後、ジャファーに捕らわれ、魔法のランプを取ってくるよう命令されます。
しかし、アニメ版では、ジャファーがサルタン国王に催眠術をかけ、アラジンを選ばれし者と特定し、老人に変身してアラジンに魔法のランプを取ってくるように言います。
違い⑦ ジーニーが恋をする
実写版では、オリジナルキャラの侍女ダリアに、ジーニーが恋をします。
しかも両想いとなり、最後には子供がふたり。
商人ペドラーに変わる、冒頭シーンの4人家族は、魔法が解け人間になり幸せになったジーニーとダリア、子供たちの姿です。
長く囚われの身であったジーニーが、本当に自由を得たことが強調される素晴らしい設定だと思います。
違い⑧ 実写版ではジャスミンのソロ曲「スピーチレス」が追加
アニメ版ではなかったジャスミンのソロ曲「スピーチレス」。
王女として縛られた生活から抜け出したい、自立したジャスミンの思いが込められた曲です。
「自立した女性」ジャスミンを強調するものと思われます。
違い⑨ アラジンの2つ目の願いが、筋の通ったストーリーに
実写版でもアニメ版でも、アラジンの2つ目の願いは意識不明の大ピンチの中、行われます。
アニメ版では、ジーニーが「助けてってことだよね!」と強行で救出します。
これには、願い事に含まれないのでは?という議論がされていたそうです。
そのため、実写版ではそれを是正するためか、助ける前にジーニーが海の底で契約書の変更手続きを行い、合理的にストーリーが進むように変更されています。
違い⑩ ジャスミンが国王になる
実写版では、劇中から、ジャスミンが国王になりたがっていることが強調されていました。
女性国王は前例がないと反対する父に、国王になるために努力してきたことを主張するジャスミン。
最終的に、父から国王になることを承認されます。
女性リーダー、女性の社会進出を強調しているのは、現代の時代背景に合わせていると思われます。
違い⑪ 解放されたジーニーが人間になる(魔法の力がなくなる)
アラジンの最後の願いで、ランプから解放されるジーニー。
アニメ版では、解放された後も魔法の力は残っています。
しかし、実写版では、魔法の力もなくなり、人間の姿になります。
違い⑫ 曲「ホール・ニュー・ワールド」の日本語版の歌詞が違う
主題歌「ホール・ニュー・ワールド」の日本語歌詞が一部変更になっています。
吹き替え時の口の動きを合わせるためのようです。
実写版『アラジン』の考察
メインのストーリーや流れについては、オリジナルであるアニメ版を忠実に再現しつつも、これまでに浮上していたストーリー上の矛盾や、時代錯誤を是正した今回の実写版。
そのために実写版オリジナルのキャラクター・侍女ダリアを登場させたり、老人だった悪役・ジャファーを若いイケメン俳優に変更するという大幅な変更もありました。
しかし、それらは『アラジン』のストーリーを決して邪魔することもなく、自然に溶け込んでいます。
また、原作やアニメ版では、人間からはかけ離れた別次元の者として描かれれていたランプの魔人・ジーニーに恋をさせたり、解放後には普通の人間にしたりと、親近感を持つことができる演出だったのではないかと思います。
これについては、他の登場人物についても同じで、悪役・ジャファーには過去には貧しい生活をしていたという設定を与えたり、アラジンについても、幼いころに両親を亡くして猿アブーとの盗人暮らしになってしまったという過去が明らかになったり。
ジャスミンの母親についても、隣国から嫁いできて、命を奪われてしまったために父親である国王が過保護になったこと、ジャスミンが国政に熱心なことがわかります。
そのため、それぞれの登場人物をより理解でき、共感できるようになっています。
本作は、アニメ版『アラジン』の実写版として軽く楽しむことも、一つの作品として、じっくり物語に入り込むこともできる、とても素敵な作品です。
おわりに
いかがでしたか?
大人から子供まで大好きな不朽のディズニーアニメ映画『アラジン』。
実写版も非常に面白く、アニメ版との間違い探しも楽しいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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